Webソリューション事業部システムソリューションユニットの冨士です。
年明けぐらいから、密かに黙々と取り組んでいたことがあります。
「即時返信」 です。
今では社内で一番返信が早いんじゃないかと自負しています。
時には1分、時には2秒で返信を返します。
加えて 「即時タスク化 」も「即時返信」と相性が良さそうだったので、
試しに半年ぐらい「即時返信」「即時タスク化」を続けてみました。
するとタスクの回りが明らかに良くなってきたので、考察した結果を踏まえて、効果とその根拠をご紹介していこうと思います。
返信が早い人って?
返信が早い人ってどう思いますか?
「お、助かるー」「早っ」「暇なのかなー」
いろいろなことを感じると思いますが、
「安心感」
これを感じませんか?
「安定感」と言ってもいいかもしれません。
これを感じるのはあなたが 「返信を期待しているから」 でしょう。
そしてその返信が 「すぐに返ってくることがわかっているから」 です。
「期待通りに動くこと」 に人は安心感を感じます。
あれ?これ何かに似てますね。
リクエストとレスポンスということを考えると、APIだったり、HTTP通信だったり、Webエンジニア領域の技術にも似ているものを感じませんか?
即時返信が与えること
「必ず返すのであれば、別に2秒で返信しなくても良くない?」
こう思う人もいると思います。
至極真っ当な意見です。
でも、 返信が遅い人ってなんかイライラしませんか?
おかしいですよね、「絶対返信が返ってくるとわかっている」のにイラついてしまうんです。
それは恐らく 「不安 」だからではないでしょうか。
「このメッセージ確認してるのか?」「届いているのか?」 と。
目に見えないものには不安を感じるものです。
これを 「未確認の不安」 とでもいいましょう。
「ロード中にLoadingと出ないゲーム画面」
「自動返信が無いお問い合わせフォーム」
「いきなりホーム画面から起動するスマホ」
「グローブを構えないキャッチャー」
どうですか、不安でしょう?
「LINEの既読は?」
時折、無視されます。
不安ですね。
「ちょっとまって、確認するね」
これでいいんです。
1時間でも15分でもなく、すぐに返してあげましょう。
やった結果よりもまずは 「見ているのか?」を知りたい のです。
もう一つの不安
じゃあ、最初の「未確認の不安」が取り除かれたけど、
「なんか不安…」
こんな時ありますよね。
それは恐らく 「その人を信用していない 」のではないでしょうか。
初めてのやり取りだったり、いつも約束を忘れる人だったり、ちぐはぐな回答を受けていたり…
要するに 「ちゃんとやってくれるの?」ということが不安 です。
依頼ってどういうときにしますか?
計画を立てて、何かを施行するために手伝ってほしいときですよね。
つまり、 依頼されている時点であなたは依頼者の計画に組み込まれているんです。
しかも、依頼されている時点ですでに あなたはその計画のボトルネッ クなんです。
だってちゃんとやってくれるかわからないんですから。
では、そんな 「不確実の不安」 をどうしたら取り除けるでしょうか?
納期を決める
忘れずに提出する
基本的なことですが、この2つが効果が高いように思います。
まずはこの2つを試してみましょう。
納期を決める
タスクに取り掛かる前に見積もりを行い、それを相手に伝えましょう。
そうすることで依頼者の計画は現実味を帯びてきます。
依頼者が不確実とする要素を取り除いてあげましょう。
忘れず提出する
ちゃんと依頼をこなしましょう。
遅れるのであればその連絡を。
こればっかりは回数をこなすしかありません。
実直に信頼を重ねていきましょう。
忘れず納期に間に合わせることは案外難しいです。
この辺は依頼された側のタスク管理がものをいいます。
後半は、即時返信と相性のいい管理術である 「即時タスク化」 をご紹介します。
前半のまとめ【依頼者編】
そろそろ依頼者目線からは不安は取り除けて来たのではないでしょうか?
一旦ここでまとめてみましょう。
返信が滞る人 は依頼者が 不安なまま 事が進んでしまいます。
たとえ依頼者の計画の範囲内に達成できてもも、「不安だったな」「怖かったな」という印象を持ちます。
もう一度依頼は出さないでしょう。
一方、返信が早くてまめな人 は依頼者のもつ 「未確認の不安」「不確実の不安」を壊しながら 事が進みます。
依頼者は安心しながら完了報告を待っていられるでしょう。
「何かあったらもう一度依頼したい」と思うかもしれません。
この様に「即時返信」を考えると、
「依頼者の不安を取り除く」 ということが本質にあることがわかります。
じゃあ返信が早い人自身はどうなの?
依頼者にメリットがありそうなことはわかったけど、 「じゃあ返信が早い人自身はどうなの?なんかいいことあるの?」
そう思いますよね。
僕は即時返信は 「返信者自身の方がメリットがある」 と思います。
なんたって 即時返信は仕事がサクサク進みます。
「え?なんで?いちいち返信してたら遅くなるでしょ?」
そう思いますよね。
「差し込みばっかりになっちゃってダメでしょ?」
そう思いますよね。
実は返信が早い方がさっさと仕事が進みます。
それは 「即時タスク化」 を同時に行うからです。
ぶっちゃけ返信だけ早くても意味がありません。
そんなに世の中は甘くありません。
ですが、
「即時返信」「即時タスク化」
この 2つの相性は最強 です。
思わず韻を踏んでしまうくらい、非常に強力な処世術になり得ます。
実際に、この2つをあわせて行った僕が感じたメリットを5つ見ていきましょう。
1. 後から思い出したり探す手間が省ける
「あ~ややこしそうだから後でやろうっと」
あ~やりがちですね。
そしていざやろうと思った時
「なんだっけ…どこで言ってたっけ…」
陥りがちですね。
「即時返信」「即時タスク化」 はこれらを防止できます。
防止するというよりに 「あとから確認する」というタスクを自体を消滅 させます。
「あれ返信しなきゃ…」「あのメッセージ確認しなきゃ…」「あれは確かこの辺に…」
そんなくだらないことを覚えているためにあなたの脳のメモリを使わないでください。
覚える以前にさっさと確認して、タスクを立ててしまいましょう。
2. 忘れない
「あ~ややこしそうだから後で見ようっと」
…せん。
…ません。
「見ません。」
納期間近に突っついてもらうのはやめましょう。
忘れてて納期を引き伸ばすのもやめましょう。
残念ながら 相手はきっと不愉快です。
忘れた依頼は結果的に自分への差し込みタスクへ、ひらりと変身を遂げます。
あなたを忙しくしているのは新しいタスクですか?忘れたタスクですか?
忘れないためには、すぐにいつも自分が使っているタスクリストへ放り込んでしまいましょう。
3. 自分宛ての未読がたまらない
あなたがコミュニケーションで使っているツールはなんでしょうか?
メール、チャット、様々あると思います。
無視してるわけじゃないんですが、ついつい自分宛ての未読って溜まってしまいますよね。
10個も溜まると嫌になっちゃいますよね。
それとも「モテモテだな」なんて思いますか?
どちらにせよ 大量の依頼の確認はしんどい です。
一個一個は大したことなくても、性質が違うものがゴロゴロしていると処理するのにとても疲れます。
そうなる前にすぐ自分の管理下においてしまいましょう。
4. だんだん返信文の作成が超速になってくる
返信文を作るのに時間をかけてしまった経験はありませんか?
「丁寧語」とか「わかりやすさ」とか「抜けがないか」とか…
かなり疲弊しますよね。
でも、相手の立場に立ってみてください。
そんなことどうでもいいんです。
前半で述べたように依頼者は不安を解消してほしいんです。
失礼なことを言わなければ大概大丈夫です。
気に触ったら謝りましょう。
わかりづらかったら相手から聞いてきます。
真摯に答えて、繰り返さないように次に活かせばいいのです。
長文で抜けなく一度に全て言い切る必要はありません。
会話してくれたほうが相手は楽だったりします。
見当外れな特大サイズの返信は目も当てられません。
即時返信を続けていると返信の内容のテンプレートが自然にできあがってくるでしょう。
自然に 「素早い適切な返信」 ができるようになっていきます。
お手紙じゃないんですから気合いを入れすぎるのはやめましょう。
5. マウントがとれる
ぶっちゃけ一番早く声を上げたやつが強いんです。
早ければ早いほど強いんです。
複数人宛でも一番に返信してやりましょう。
きっとあなたが手綱を握ることができるでしょう。
手綱を握るということは自分がコントロールできるということです。
自分のやりやすいように話をもっていくことができますよ。
「マウントをとる」というとネガティブに聞こえがちですが、
ここでいう「マウントをとる」ということは「優位な立場に立つ」ということです。
優位な立場に立てるということは、自分の意見が通りやすいということです。
また、依頼者の目線に立ってみてください。
依頼者もすぐに返信をくれた人を愛でたくなるでしょう?
依頼は命令ではありません。
きっと、自分のやりやすいように依頼内容を交渉することができますよ。
後半のまとめ【返信者編】
自分へのメリットがわかりましたか?
ここでまとめてみましょう。
日常にはあなたの作業を阻害するものがたくさんあります。
「昨日頼まれた依頼」
「忘れてた依頼」
「時間のかかる返信」
「未読の山」
「やりづらい依頼」
これらの障害物はあなたの大切な時間を強制的に奪っていくでしょう。
しかし、 「即時返信」と「即時タスク化」を合わせて行 うと、
これら 障害物の発生を未然に防ぐ ことができます。
この様に「即時返信」「即時タスク化」を考えると、
「自身のタスクの総量を小さくする」 ということが本質にあることがわかります。
補習編
さて、 「即時返信」「即時タスク化」 のメリットを説明しましたが、
実際にやってみると「なんかうまくいかない…」ということもあるでしょう。
最後に少しテクニックも紹介していきます。
即時返信が苦手な人
「なんて返そう…」 これに躓くことが多いと思います。
大体気を使い過ぎだったり、一度に言おうとしたりしていることがほとんどです。
しかし「即時返信」の本質は 「相手の不安を取り除く」 ですよ。
返信内容は考えない
悩むぐらいなら、 一番最初の返信は「確認します」だけにする とかに決めちゃいましょう。
あとからじっくり内容を確認すれば良いのです。
会話を意識する
別に「確認しました」と納期と不明点は一緒に言わなくてもいいです。
短くフランクにいきましょう。
即時タスク化が苦手な人
即時タスク化が苦手な人は「タスク分解が苦手」なことが多いです。
「初手のみ」をタスク化する
タスク分解をしないままタスク化してしまうと、
結果的に大きなタスクのまま管理しようとするので、タスク化も大変になってしまいます。
大きいタスクは「初手のみ」をタスク化してみましょう。
すぐわからず調査が必要なものは「調査する」というタスク。
長文のメッセージなら「確認する」というタスク。
開発依頼なら「概要を読む」「見積もりを出す」というタスク。
一つ15分~2時間の作業量を目安にタスクを分解して、初手を抜き出してみましょう。
タスクのソースを管理する
依頼をもらったなら、 必ず依頼内容をコピペするか、URLを記録 しておきましょう。
依頼内容はいつでも見返せる状態が望ましいです。
これなら設定した初手に不安があっても、着手後に軌道修正可能です。
速さと質はトレードオフになりがちです。
時には再設定することもあるでしょう。
大切なのは 「2度同じ作業を繰り返さない」 ということです。
「うまくいかなかった」ということは既に一つ試しているんです。
それは無駄なことではありません。
失敗から考えましょう。
タスクまみれになっちゃう人
タスク化ばっかりして、タスクまみれになってしまいましたか?
「即時タスク化」の本質は 「タスクの総量を小さくする」ですよ。
小さいタスクはすぐやっちゃおう
タスク化した際の、想定見積もりで 15分程度であればすぐやっちゃいましょう。
タスク化しても、少なからず後で概要を思い出すという作業は残るものです。
そんなことに時間を使うならすぐやってしまいましょう。
どうしても忙しいとき
どうしても返信できないとき、確認できないとき、タスク化できないときもあります。
こんなときは 「必ず自分が後で確認できる方法」 をとりましょう。
リマインド機能を使おう
もしあなたがSlackを使っているなら、Slackの リマインド機能 を使ってみましょう。
とても強力な機能です。
定時間際の依頼、定時後の依頼、いろいろ捌けない依頼があると思います。
そんなとき確認は後回しです。
依頼後、業務時間2時間以内までに確認しましょう。
定時間際なら明日朝、金曜なら来週月曜朝にリマインドを打っておきましょう。
会議前にうっかり既読にしちゃったものも、1時間後ぐらいに通知されるようにしておくとよいです。
ぐっと忘れることが減るはずですよ。
終わりに
「即時返信」と「即時タスク化」を実際に行って得た知見をご紹介しました。
「即時返信」=「相手の不安を取り除く」
「即時タスク化」=「タスクの総量を小さくする」
それぞれこういった本質を秘めていました。
ご紹介した方法だけでなく、本質を考え、自分なりに改変していっても良いでしょう。
お試しあれ!