タイポグラフィの徹底再現を行うために
Webの制作者はタイポグラフィの重要性を分かっていない。相談しても、多くのWeb制作会社がため息をつき、呆れ顔で「Webの世界では~」と講釈を垂れはじめる。そんなことは知ったことではない。タイポグラフィはデザイン上不可欠な要素であり、それが再現できない以上、それはWeb制作会社の怠慢でしかない。世界を語る前に自分の腕前を語ってみろと思う。
こんな具合で、我々グラフィックデザイン分野の人間が作ったWebデザインは、Web分野の人間にはあまり好まれないようだ。コーディングを依頼しても、お定まりの講釈を盾に再現しようともしない。そんなやり取りに辟易していた頃、クロノドライブを見つけた。
ためしに、他社でコーディングしてもらったものをチェック代行サービスにかけてみた。それで会社の姿勢や力量がわかると考えたからだ。どうせここも世界を語るんだろう。そんなシラけた気分での発注だった。だが、結果は違った。
アカウントスタッフの言葉遣い。こちらがWebの制作ルールをできるだけ守ろうとしていることをデザインから読み取る洞察。そして、でたらめな他社コーディング物を修正し、こちらがデザインしたそのままの姿を再現してみせる力量。実はデザインデータにコーディングデータを重ね、わずかな誤差すら見逃さない姿勢でチェックを行なっていたという。
お客様の制作物に対し、骨身を惜しまない努力を行うのは広告屋として普通のことだ。だが、その姿勢をともにしてくれるWeb屋には初めて出会った。以来、クロノは我々には欠かせない仲間となった。チェックだけではなく、コーディングやシステムについても力量は十分。デザイン重視の我々にとっては非常に大きな助けとなっている。